M*Serendipity & dorico 
コラボレーション企画
大人の女性が持ちたくなるもの
『 上品な帆布の鞄 』



帆布というと、
とかくカジュアルな雰囲気があり、
その質も、ピンからキリまであるように思います。
今回試作しているものは、言葉のもつ響きで説明すると、
バッグというより 『鞄』 という雰囲気が漂うデザインで仕立てたいと思いました。
大人の女性が持つのに相応しく、
上質で、経年を魅力にできるような丈夫な鞄です。
生地選びから、鞄のデザイン、
金具や革に至るまで、
思い描いているイメージに限りなく近くなるように、
ひとつひとつ手にして、
doricoさんと2人で、納得がいくまで吟味して決めてきました。









第一章
『 持ちたい鞄のイメージ デザインの組み立て』




実は、最初は、
完成型とは程遠いものを制作していました。











到底撮影できないようなものから色々とあり・・・書ききれませんが、
ここに、かなりの時間を費やしたことは事実です。
かなり遠回りをしてしまいました。
















いちばん分かりやすく試作の変化を表しているものを
ご覧ください。
普通に、帆布のバッグを作り上げると、
このような感じで、よくありがちなものになります。
野暮ったさはぬぐえず、
寸胴なラインも決して魅力的というものではありません。




before



しかし、このデザインに一度辿りついたからこそ、
何が足りないのかが明確に見えてきます。
望むラインに気が付き、
そこからは、どんどん変化していきます。


革の鞄のように
深い魅力を持ち合わせたラインを
生み出したいと思いました。
中に何も入っていなくても、自立していること。
決して自分で整えたりしなくても、
いつも置くだけで
綺麗だなと思わせる形になる鞄を目指しました。




after





試作の過程で何個も作るため、
自然と、その布を知ることが出来ます。
そのファブリックの性質や癖をもとに、
皺の入り方から、
ある程度計算されたラインを生み出すことができます。
それは、型紙をミリ単位で調整し、
接着芯の選定を何度も慎重に行いながら
少しずつデザインを確定していきます。



いつでもどの段階にでも
GOサインが出せる自由があるハンドメイドショップの試作は、
結局、作り手自身との戦い、試金石のような気がします。
自分で考えて、想像して、実際に作ってみて、判断して、決める。
この繰り返しです。
だからこそ、
自分たちの潜在的な可能性を
もっとも秘めている聖域のように思えてなりません。










第二章
『 金具や革のこと 』




鞄は、正面だけでなく、
横顔の表情にも魅力のあるものを持ちたい、と思います。
颯爽と持ち歩く時、電車を待っている時、ベンチにおいた時、
腕にかけて何かを見ている時、車の助手席においた時、
意外と見られることの多い横顔は、
女性にとっても
凛とした美しさが宿ってると、
年齢に関係なく、つい見とれてしまいます。




そうあるべき鞄に仕立てていくためには、
鞄をささえる金具や革など
ひとつひとつの副資材の選定をこだわりぬくことは、
欠かせない作業となります。
手がかりは、
当てにできるのかどうか分からない感覚的なものばかりですが、
頭の中の想像だけでは成しえず、
少しでもピンときそうなものがあったら掬い上げ、
そこからは、取り寄せて実際に試すしかありません。
実際に仕立てて使用してみて、
「違う」のか
「相応しい」のか、
自分の感性を信じて、選びぬいていきました。



革や金具の変化、
接着芯の変化、それに伴う縫い目の変化、
少しずつデザインが安定していく様子をご覧ください。






















生地と革、金具の間に、
ようやく、対等に並べられるだけのバランスを得たような気がしました。
これは、
『雰囲気の安定感』とも表現できるような手ごたえでした。


試作鞄は、金具の位置も、
1mm単位で試して見比べているので、
もう何個も穴だらけです。
しかし、しばらくすると、
そのあけたはずの穴が限りなくとじてしまうから、
この、とことん惚れこんだ生地が、
いかに復元力豊かで、
強く太い糸であるかが分かります。









第三章
『 鞄の内側の試作 』




鞄の内側というのは、
自分がいちばん目にするところです。
だからこそ、贅沢なエッセンスを
随所にちりばめたいと思いました。
他の誰に見せるわけでもなく、
自らの心が潤い、
柔らかに満たされるものになれたら・・・素敵です。
幾重にも仕掛けられたアナログなエッセンスを
あちこちにしのばせたいと思いました。












まず底板。
軽いけれど、かなり厚く丈夫なベルポーレンと
そこにリバティとキルト芯を縫製しました。
ぷっくりとしていて、緩衝材という実用性もあり、
厚い本や大切なものをいれたときにも、
包み込むようなクッションに嬉しくなります。



















早い段階で、発注をかけたコラボレーションの革タグです。
革は、たとえ小さなものでも、
その良し悪しがはっきりとあらわれるので
熟練した作業ができない私たちは、
専門家に依頼をかけ、サイズや厚みなどを相談し、
doricoさんが描いたオリジナルデザインによるロゴマークを
中央に刻印してもらいました。














この厚みの帆布をも
きちんと閉じることができるマグネットは
最終段階でやっと見つかりました。













両面につけた角カンはデザイン上のアクセントにもなりますが、
同時に、パスケースや鍵をかけたり
実用的にも
十二分にお使いいただけることと思います。














外側のポケットの内側は、
お選び頂いたご希望のリバティ張りに致します。














そして、
鞄のオプションとなるバッグスカーフは、
その日のお洋服にあわせて、
楽しんでいただけら・・・と思います。














スカーフの形と質感の試作も何枚にもわたりました。
タナローンの薄さを上手にカバーし、
エルメスのスカーフのようなハリのあるしなやかな質感を目指して、
手触りを頼りに、
あらゆる接着芯で試しました。














ハリを補強できるような
リバティと相性のよい接着芯は、
ありそうでなかなかなく、
接着芯を変えると、質感も変わりました。
どれにしようかと直前まで迷いましたが、
ようやく思い描くものに出会えた気がします。















今まで集めてきた30種以上のリバティカラーや柄で
バッグスカーフをご用意予定です。
これらは、お手持ちの鞄に合わせていただいても
素敵にお使い頂けることと思います。
鞄にスカーフを結わえていて・・・
思わず、幼い頃に遊び親しんだ、
着せ替え人形の楽しさを思い出しました。














ポケットは、
外側と内側にトータル5ポケットを配す予定です。
細々としたものを仕舞う定位置があると
機能的にも優れた使いやすい鞄になると思いました。













手帳や文庫本を入れるためのポケット、
口紅やグロスやペンホルダー、
鍵やハンカチーフ、ティッシュやピルケースにミラー、
そして、携帯電話。














全て、外側に響かない吊るしポケットにし、
出し入れするポケットの口元部分は、
金具で十分補強し、
片面にはひっかけるカンの検討も行いました。
鍵やパスなどを落とさないように安全に持ち歩くために
引っ掛けるためのカンは何かと便利に使えることと思います。













ペン挿しの細長い部分は、
口紅やグロスのような短いものをいれると沈んでしまうことが多いので、
長いものから短いものまで対応できるように、
中側で工夫しました。









第四章
『 刺繍のこと 』










こちらは、リバティ手帳の花文字刺繍です。
このリネンは、
もともと刺繍専用の生地ではないので
最初の頃は、針を刺すだけでも大変骨の折れる作業だったと
先日、初めてdoricoさんから聞きました。
それが、今では少しずつ慣れて、かわいいリネンになったとのこと・・・。
doricoさんらしい素敵なエピソードです。




普通、刺繍と言えば、
布に、大きなリングをつけて、
布をピンと張って刺繍をするものというイメージがありますが、
doricoさんは、そのようにはせずに、
まるで自由自在という言葉がぴったりなぐらい・・・
どんな場所にも、どんな布にも、ステッチをされてきました。
制限のない自由を持った
『魔法の手』とも思える技術は、
決して最初からあったわけではなく、
努力と経験の積み重ねゆえのことだと思います。




ただ、今回、鞄用に選んだファブリック。
職業用のミシンでさえも、
所々息をのむぐらい分厚いのです。
これだけ丈夫だからこそ選んだ生地でしたが、
私の縫製も含めて、様々な面で工夫をし技術を高めないと
なかなか思うようなラインが出せませんでした。
しかし、その分、
理想に近づけた時に、俄かに生まれたラインは、
はっとする程魅力的で、一度、これを見てしまったら、
執着せずにはいられませんでした。
doricoさんの刺繍図案もその繰り返しです。
時に遠ざかりながら、
でも着実に近づいているような感覚を頼りに、
手探りで歩みを進めてきました。











今回のdoricoさんの最大の苦労は、
帆布への手刺繍を施すこと自体ではないだろうかと感じました。
それは、刺繍図案の考案だけでなく、
帆布に刺繍をするという方法論まで考えなくてはならなかったからです。
詳しい過程は、
作り手のdoricoさんのブログにて記事がupされていますので
ぜひご覧ください。



doricoさんのブログより 帆布アイテムのSTORY
帆布アイテム〜ステッチのこと〜
帆布アイテム〜図案と色のこと〜












手帳もそうですが、
刺繍が直に施されたものを手にすると、
はっとするような・・・心が震える感覚をいつも感じます。
それは、作り手が、
時間をかけて心を込めて施した手刺繍が届けてくれるもののように思います。
あたたかく見守ってくれているような
凛とした空気感のようなものです。





M*Serendipity & dorico のコラボレーション企画の商品として、
息が吹き込まれる瞬間、刺繍の存在によって、
『 上品な帆布の鞄 』 の
完成度が、ぐんと大きく上がります。














厚手の帆布に対して、
これだけぷっくりと鮮やかに刺繍が
その存在の魅力をはなち、うっとりとします。














王家の紋章のように、雰囲気のあるクラシカルな図案は、
模様の中に
よく目を凝らすと、イニシャルが刺繍されています。
リバティや帆布のカラーを選ぶだけでなく、
このようなところにも、
オーダーメイドならではの鞄の魅力が光ります。



















裏側には外ポケットがあります。












帆布の鞄は、
完全にオーダーメイドにて受注の予定です。
帆布は
6色展開。
どれも、抜群に魅力的なお色ですので、
リバティや刺繍との化学反応が楽しみです。




















そして、オプションとして、
バッグスカーフやパスケース、他リールキーを
ご用意しておりますので、
ぜひお気に入りのリバティで
オーダーを承ることができましたら・・・幸いです。











mayumin
2011 10 07



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コラボレーション企画
大人の女性が持ちたくなるもの


舞台裏から
『 パスケースのデザイン試作 』




パスケースの試作は、縫い代の厚みが足枷となり、
希望のデザインイメージが、なかなか形にならずに苦労しました。
コラボ新作の舞台裏、
完成までのパスケースの試作STORYです。








    








まず、パスケースに繋がる革紐とチェーンの検討。



どちらも素敵でしたが、
今回は、革紐を採用することにしました。
ただ、この革紐は、床面・コバの処理が甘く、
ぼろぼろと革が零れ落ちてくるため、
上質な革紐を何本も取り寄せて
質感、お色共に、一番ふさわしいものを後日選びました。


















最初に、窓枠があるタイプのパスケースを作りました。
リバティを前面にもってきたものと、逆のタイプのもの。








   
















切りっぱなしの部分には、
ほつれ止め加工を施してあります。
これに時間がかかるのが難点ですが、
ビンテージな雰囲気は好みに合いました。






ただ、厚手の布ということもあり、
角の仕上がりにどうしても課題が残ります。
接着芯を変えたり、
始末の仕方を変えたり・・・
細かい部分を色々と変更していくものの、
なんとなく「違う」感覚はつきまといました。



















これまで、昔の定期入れの先入観で
当たり前のように
窓枠があるものを作っていましたが、
考えてみると、
今は、コンピュータによる読み取りだから、
真ん中が透明である必要はないことに気がつきました。
途中から窓枠がないものも作っていきました。




















中側裏地は、総リバティです。
見えないところに施された贅沢、
こういうところは、
M*Serendipity & doricoにおいて
欠かせない、
大切なエッセンスです。



















悪くはないけれど、
まだ・・・ぎゅっと心にせまってくるものがない。
やっぱり窓枠がある方が魅力的なのか、
作りすぎて感覚が鈍ってしまったのか、
そんなもやもやとした気持ちでした。






まさに、
煮詰まっている状態。
この方向性でいいのか、
それさえもわからない霧の中でした。






以前読んだ本のフレーズを
ふと思い出しました。


方向性があっているときには、
かならずワクワクする感覚、空気がある。
きっと、人は、
これでは上手くいかないかもしれない・・・という気になる要素を
実は、自分の直感で
感じているのだと思います。
しかし、それまでに積み上げた努力や理性が邪魔をして、
打ち消してしまう。
気がつかない振りをすることで、
自然とワクワクできない心理状態になるのだろうと感じました。






だから、
今、携わっているものに対して、
ワクワクしたりドキドキしているかどうかは、
直感が伝えてくれる大切な手がかりです。




















きっと・・・方向性が違うのだと思いました。
ゼロに帰ろう。






完全に白紙に戻して、
もう一度、作り直してみよう、と思いました。
今まで囚われていたデザインは捨てて、
方向性を変えて、作ってみることにしました。























試作の数々、
こうして並べてみると、感慨深いです。
最初から、
なぜストレートにたどり着けないのか・・・
それは、いつも感じる永遠のテーマですが、
納得のいくものを、この手で作るために・・・
最終型のよさを、
正確に感じ取るために、
試行錯誤というフィルターが欠かせないと思いました。





















今までぼやけていたカメラのピントが合い始めると、
細部にわたって、はっきりと見えてきます。
必要となる金具や革も、
これに合わせて、最後まで徹底して検討し、
一番相応しいものを選びます。






どの部分であっても、
自分の感性に、ぴったりと寄り添うかどうか、
それが、判断の基準です。
まだ技術的な改善は必要ですが、
ほぼ最終型には辿りつけました。


















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コラボレーション企画
大人の女性が持ちたくなるもの


『 パスケース 』

PASMO、Suica、ICOCA SUGOCA TOICAや
免許証やショップのカードetc・・・
暮らしの中で、持ち歩くカードは色々とあります。
こんな風に、
革紐で鞄につなげて、落とすことなく、
素敵に、便利に、お使いいただけたら・・・
毎日という日常に、
ささやかな楽しみがひとつ増えるような気が致します。














そして、
doricoさんのワンポイント刺繍がほどこされたものがこちらです。
2色刺繍が
リバティの色を帆布の上に引き出し、
幾重にも魅力を高めてくれています。
様々なカラーとリバティをあわせて仕立てています。
お楽しみに・・・


















mayumin
2011 09 17




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